はじめに
スタジオジブリの名作アニメ『となりのトトロ』は、多くの人に愛され続けています。しかし、その裏にはさまざまな都市伝説が存在することをご存知でしょうか?
映画の明るくほのぼのとした雰囲気とは裏腹に、「狭山事件が元になっている」「トトロは死神である」といった不穏な噂がインターネット上で囁かれています。本記事では、それらの都市伝説を詳しく解説し、真相に迫ります。
『となりのトトロ』と狭山事件の関係
『となりのトトロ』には、1963年に埼玉県狭山市で発生した「狭山事件」との関連が指摘されています。この事件は、女子高生が誘拐され、無残にも殺害された未解決事件です。
この事件と映画の間には、いくつかの共通点が見られます。
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五月(サツキ)とメイの名前 サツキの名前は「五月(さつき)」、メイの名前は「May」と、どちらも5月を意味します。狭山事件も5月に発生しました。
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映画の舞台と狭山丘陵 『となりのトトロ』の舞台は埼玉県の狭山丘陵がモデルになっています。作中には「狭山茶」の箱が登場し、狭山との関連が見られます。
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七国山病院と八国山病院 メイの母親が入院する「七国山病院」は、実際に狭山市にある「八国山病院」がモデルになっていると言われています。
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被害者の姉の自殺 狭山事件の被害者の姉は、事件後に自殺しました。自殺前に大きな猫やタヌキのような幽霊を見たと語っていたとも言われており、これがトトロのモチーフになったのではないかと噂されています。
トトロは死神?映画に隠されたメッセージ
もう一つの有名な都市伝説として、「トトロは死神である」という説があります。これは、作中のいくつかの描写に基づいています。
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メイの失踪とトトロの存在 メイが迷子になり、行方不明になるシーンがあります。サツキがトトロを呼ぶと、トトロはネコバスを手配し、メイのもとへと導きます。しかし、これは「サツキがすでに死んだメイの魂を迎えに行った」との解釈もあります。
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影の不在 メイとサツキが最後に母親と再会するシーンでは、2人の影が描かれていません。アニメや映画では、死者の影が描かれないことが多く、これが2人がすでに死んでいることを示唆しているのではないかと言われています。
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ネコバスの行き先「墓道」 ネコバスの行き先には「墓道」という場所が表示されるシーンがあります。これが「死者の乗り物」を暗示していると解釈されることがあります。
すすわたりは死の前兆?
『となりのトトロ』には、小さな黒い影のような存在「すすわたり(ススワタリ)」が登場します。日本の民間伝承では、すすわたりは「死の前兆」とされています。
映画の冒頭で、サツキとメイは古い家の中ですすわたりを見つけます。さらに、サツキがメイを探しに行くときにも再びすすわたりが現れ、「彼女たちが死へと向かっていることを暗示しているのでは?」と考えられることもあります。
都市伝説の真相は?ジブリの公式見解
これらの都市伝説について、スタジオジブリは公式に否定しています。宮崎駿監督や鈴木敏夫プロデューサーは、「『となりのトトロ』に狭山事件との関連性はない」と明言しています。
では、なぜこれほどまでに都市伝説が広まったのでしょうか?
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物語の曖昧さ 『となりのトトロ』には、説明されない部分が多くあります。「なぜトトロが見えるのか」「ネコバスの正体は何なのか」などの曖昧な点が、都市伝説を生み出す要因となっています。
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心理学的な影響 人間は、曖昧な物語に対して意味を見出そうとする傾向があります。特に、死や霊的な存在にまつわる解釈は、多くの人の関心を引きます。
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社会不安との関係 『となりのトトロ』が制作された1980年代後半は、日本がバブル経済の絶頂期にありながら、その終焉が見え始めていた時期でした。社会不安が高まると、人々は物語の中に暗い意味を見出しやすくなります。
まとめ:都市伝説は映画の魅力を深める要素のひとつ
『となりのトトロ』にまつわる都市伝説は、作品の魅力をさらに深める要素の一つです。
公式に否定されているとはいえ、こうした解釈がファンの間で語り継がれるのは、人々が物語の裏側に隠された意味を見つけたいという本能的な欲求を持っているからかもしれません。
どの解釈を信じるかは観る人それぞれの自由です。『となりのトトロ』は、ただの子供向けアニメではなく、見るたびに新しい発見がある奥深い作品なのかもしれません。
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